その一 黒いサングラスの男
突然の訪問者、その正体とは----
お登勢「しるかボけェェェ!!金がねーなら腎臓なり金玉なり売って、金つくらんかいクソッたりゃー!!」
銀時「家賃如きでうるせーよウンコババア!!こないだ、アレ・・・ビデオ直してやったろ!アレでチャラでいいだろうが!!」
お登勢「いいわけねーだろ!五ヶ月分の家賃だぞ!!大体、あのビデオまた壊れて【鬼平犯科帳】コンプリート失敗しちまったわい!!」
銀時「バカヤロー、諦めんな。きっとまた再放送するさ!!」
ここは、銀時が経営する万事屋。室内から耳を覆いたくなる様な言い合いが始まっていた。そんな頃、万事屋の従業員となった新八とはと言うと----
「新八君、荷物持ってもらっちゃって本当にごめんなさい」
新八「さん、気にしないで下さい。僕が好きでやっている事なんですから」
丁度買い物に出ていた2人は、外にまで聞えるお登勢と銀時の言い争う声に漸く気づいた。
お登勢「んなことたァいいから家賃よこせっつーんだよ、この天然パーマメント!!」
銀時「んだ、こらァ。お前に天然パーマの苦しみが分かるか!!」
新八「ハァ〜〜〜、またやってんのか」
「あはは・・・。またみたいですね・・・」
早いもので僕達がココに来て半月。フリーターから心機一転あの男のもとで働き始めた僕達だが、万事屋なんていかがわしい商売そう儲かる訳も無くさんのおかげで何とかやっていって居るもののジリ貧の生活は相変わらずだった。果たして、このままあの男に着いて行って良いものか----
新八「ちょっと・・・アンタらいい加減・・・っ!?さん危ない!!」
「っ!?」
銀時とお登勢の言い争いはヒートアップする一方で、ついに銀時をお登勢が万事屋の玄関に続く階段に背負い投げした。当然その階段を登っていた新八とにつっこむ銀時。新八は慌ててを脇に寄せつっこんでくる銀時を迎えた----
銀時・新八「ぎゃああああ!!」
最近悩んでいる・・・。
「銀さんも新八君も大丈夫ですか・・・?お茶入れたんですけど飲めますか・・・?」
銀時「あ〜、大丈夫大丈夫。新八も俺も頭固いから」
新八「まったく・・・。そうゆう問題じゃないですよ・・・。さん有難う御座います。それより、どーすんスか。生活費までひっぱがされて・・・」
「多くは無いですけど、まだ私の蓄えがありますし・・・。節約すればまだ何とか大丈夫ですよ」
新八「さんばっかり頼れないですよ!それより銀さん、今月の僕の給料ちゃんとでるんでしょーね。頼みますよ。僕んちの家計だってキツいんだから」
依頼がまったく無いとは言わないが、やはり頻繁にある訳でも無くここ半月はが旅をしながら稼いだ貯金で3人は生活していた。にばかり頼れないと言う新八をよそに、何やら考え込んでいた銀時はとんでもない事を言い出す。
銀時「腎臓ってよォ、二つもあんの何か邪魔じゃない?」
新八「売らんぞォォ!!何恐ろしー事考えてんだ!!」
「ぎ、銀さん幾らなんでもそれはちょっと・・・」
銀時「カリカリすんなや、金はなァがっつく奴の所には入ってこねーもんさ」
そう言いながらテレビを付ける銀時。
新八「ウチ、姉上がスナックで働き始めて寝る間も惜しんで頑張ってるんスよ・・・」
「お妙さん頑張っているんですね・・・。私もお登勢さんに頼んで正式に働かせてもらえれば少しは楽に・・・」
銀時・新八「それは駄目だ(です)」
「うぅ・・・」
が万事屋に働きに来た頃、家主であるお登勢に挨拶に行った際丁寧な挨拶と美しい容姿を気に入られ、時々お登勢のスナックの手伝いを頼まれている。ちゃんと働きたいと言ってもなぜか銀時も新八も今の様に断固として譲ろうとしない。手伝いだって最初は銀時達に猛反対されたが、家賃の滞納の話を出されれば断るに断れず渋々OKを貰ったのだ。只一つ約束させられたのが客の相手はせず、裏方として働く様にと条件をだされた。
みたいな綺麗な女がスナックで何て働いてみろ・・・。絶対いやらしい客に絡まれるにちがいねェ。
さんみたいな純粋で真っ直ぐな人が、スナックで働くなんてさせちゃいけない!
と2人考える事は同じようだ。
銀時「アリ?映りワリーな」
新八「ちょっと!きーてんの?」
新八の話をよそに映りの悪いテレビをガンガン殴りだす銀時。
銀時「オ・・・、はいった」
アナウンサー「----現在謎の生物は新宿方面へ向かっていると思われます。ご近所にお住まいの方は速やかに非難する事を・・・」
テレビに映し出されたのは、多くの家屋が瓦礫の姿となった場所に立ちながら話すアナウンサーの姿。
銀時「オイオイ、またターミナルから宇宙生物【エイリアン】侵入か?最近多いねェ」
「新宿って・・・ココからそう離れてませんよね?」
新八「宇宙生物より今はどーやって生計立てるかの方が問題スよ」
そんな時、万事屋のチャイムを鳴らす音が室内に響き渡る。
「あ、私が出ますね」
そう言って玄関の戸を開けて見れば、いかにも怪しそうな黒服の男が3人。
「えっと・・・、万事屋にご依頼でしょうか・・・?」
突如、戸を開けて現れたに言葉を失う男達。
サングラスの男「美しい・・・」
「えっ・・・?」
その時、部屋の中から凄まじい足音を立てながら玄関に向かってくる人物が居た----
銀時「金ならもうねーって言ってんだろーが腐れババア!!」
そう言いながらの横を通り過ぎ、前に居た男にとび蹴りをくらわせる銀時。
「ぎ、銀さん!!」
銀時「あれ?」
黒服A「局長ォォ!!」
黒服B「貴様ァァ!!何をするかァァ!!」
見事に銀時の蹴りをくらったのはお登勢な訳も無く、局長と呼ばれる男が見事に蹴りをくらい地面に沈み込む。
銀時「スンマセン、間違えました。出直してきます」
黒服A「待てェェェ!!」
そう言うなり、部屋の中に戻ろうとする銀時の頭に拳銃を突きつける黒服の男。
「っ!?」
銀時「、大丈夫だ・・・」
突如頭に拳銃を突きつける男に、腰の刀に手をかけた。そんな彼女を止める銀時。
黒服A「貴様が万事屋だな。我々と一緒に来てもらおう」
銀時「・・・わりーな。知らねー人にはついていくなって母ちゃんに言われてんだ」
「そうですよ、銀さんが蹴ってしまったのは謝りますが、いきなり拳銃を突きつけるような人の言う事聞けると思いますか?」
サングラスの男「お嬢さんの言い分は最もだがね、幕府【おかみ】の言う事には逆らうなとも教わらなかったか?」
「幕府・・・」
銀時「オメーら幕府の・・・!?」
サングラスの男「入国管理局の者だ。アンタらに仕事の依頼に来た、万事屋さん」
願っても無い依頼が舞い込んだ事に嬉しくない訳は無いけれど、この依頼がとんでもない物だったなんてこの時万事屋の3人が思うはずも無く----
突然の訪問者からの依頼。その内容とは・・・?
黒いサングラスの男の心意とは?