夢の様な幸せな日々に、突き付けられる現実----
新八「あれ?銀さん、さんはどうしたんですか?」
今日も依頼の無い万事屋に通う新八。見慣れた朝の光景を当然の様に思い浮かべて出勤してみればの姿が見当たらない。彼女が万事屋に来て大きく変わった事がある。彼女が来る前までは、新八が出勤すると共に彼が朝食を作り銀時と神楽を起こすのが日課だった。しかしが来てからは出勤する頃には既に朝食がテーブルに並べられ、銀時と神楽がソファーの定位置に座って待つというのが当然の光景になっていた。起こさなければ起きない銀時と神楽も、が朝食を作り出すと不思議と起こさなくても起きる様になった。しかし、今日は肝心の彼女の姿が見られない。用意されている筈の食事も見当たらない。が寝坊するなんて不思議な事もあるもんだと2人がそれぞれ呟く。
新八「銀さん、僕が今日は朝食作りますんでさん起こして来てもらえますか?」
銀時「へぃへぃ〜」
起きてこないに内心体の具合が悪いのではないかと心配する銀時。さっそく彼女の部屋へと足を伸ばす----
随分前に見た様な真っ白い世界に私は一人佇んでいた。この世界に来れるきっかけとなった【場所】。
???「お前に残された時間は残り【7ヶ月】。ゆめゆめ忘れるな----」
何処からか聞えてくる懐かしい声。言われなくても分かっている・・・。徐々に迫る別れの時を私は誰よりも心に留めているのだから。けれど万事屋で過ごす日々は、私にとっては楽しくて毎日の出来事がとても新鮮で・・・。そして何よりも彼と過ごす事の出来る日々は【幸せ】で別れが近い事を忘れてしまう。いや、きっと忘れたいのだと思う。想い出が増えるたびに、彼を知る程に募ってしまう【想い】。それと共に沸いてくる望んではいけない感情に必死に蓋をするけれど、止め処無く沸いてくる想いは水がめに溢れる水の様に少しづつ零れてゆく----
気付けば、辺りは真っ白な世界から見慣れた万事屋の居間の光景に変わっていた。何時もの特等席で寛いでいる万事屋メンバー。だけどそこに自分の姿は見えない。私は気付いて欲しくて必死に呼びかけるけれど、言葉を発っしているはずの声は言葉として彼らに聞える事は無く彼らがの姿に気付く事は無い。自分が居なくなったら、こうやって彼等の日常から自分は消えてゆくのだろうか?何時も家事を手伝いながら、万事屋の事を一番考えている新八。自分の事を母親の様に慕ってくれている神楽。そして、何よりも誰よりも恋しくて、愛しくて・・・。未だに声を聞くだけで自分の心臓を高鳴らせてしまう人物。忘れて欲しいと思う反面、忘れて欲しくない、何時までも彼の記憶に残っていて欲しいと思う・・・。彼だけには気付いて欲しくて必死に、必死に彼の名前を呼ぶ----
「っ・・・。銀さん、銀さん!」
銀時「ん〜?」
「っ!?銀さん・・・?」
突然近くで聞えた愛しい声。銀時の声に驚きながら今の自分の状況を考えてみる。周りを見渡せば見慣れた自分の部屋。布団から飛び起きる様に座っている自分。どうやら夢を見ていたらしい・・・。の布団の隣で胡坐をかいて座っている銀時。寝起きで少し特徴的な癖毛が何時もより外に跳ねていた。服装も何時もの黒い上下の服ではなく甚平のままだ。
「あれ、私・・・。っ!?大変朝食の支度しなきゃ!銀さんごめんなさい、急いで準備しますから!」
銀時「あ〜、良いって、良いって。たまにはお前ェもゆっくりしてろ。朝食なら新八がやってくれてっからさ。それよりお前ェが寝坊するなんて珍しいけどよ、具合悪いのか・・・?」
「本当にごめんなさい・・・。具合は悪くないです。少しだけ夢見が悪くて・・・」
銀時「ふ〜ん。そんで怖くて銀さんの名前必死に呼んでたわけだ」
「っ!?そ、それは・・・」
の体を心配する表情から一辺、いたずらっ子の様な表情に変わり、本当の事を銀時に言い当てられ顔を赤くする。恥ずかしくて下を向いていると不意に感じた自分の体を包む温もり----
銀時「安心しろ。銀さんはココにちゃんと居っから。だから・・・、だから泣くな」
彼等から忘れられてしまう怖さ。何より銀時の傍に居られない怖さを思うと怖くてしかたなかった。恐怖で知らずに零れ落ちた涙。自分を包む銀時の温もりが何よりも自分を安心させてくれた----
が心配で部屋に着き、外から襖越しに声をかけて見るが返事が無い。意を決して彼女の部屋に入って見れば布団の中で眠る。黒い艶やかな長い髪が白い布団に波紋の様に広がり、目を瞑っていても綺麗な面立ちはまるで眠り姫の様で銀時は暫し時間を忘れ、その光景に目を奪われていた。どれくらい見詰めて居ただろう、穏やかに眠っているの表情が突然苦しげなものに変わり自分の名前を必死に呼ぶ彼女。その声に返事をしてみれば長い睫毛で閉じられていた黒い双眸が開いた。具合が悪いのかと尋ねれば夢見が悪くてと言う。具合が悪いのでなければと一先ず安心すると、先程の苦しそうな表情が気になり少し冗談で俺の名前を呼んだのかと尋ねれば、顔を赤くする。冗談のつもりで言った事が当りだったのかと驚く反面、彼女が誰よりも苦しい時に自分の名前を呼んでくれた事が嬉しくて、心臓が高鳴る。照れ臭くて寝癖の着いた自分の頭を力任せにかき回していると突然の瞳から零れ落ちた涙。どんな怖い夢を見たかなんて分からない。けれど少しでも彼女の心を癒してやりたくて、華奢な震える小さな体を抱き締めた。こいつを苦しめる全てから護りたくて----
「銀さん・・・。ごめんなさい、もう平気です」
どれ位抱き締めていたのか分からない、只それは長くとも短くとも感じた。名残惜しいけど大丈夫ですと言う彼女を抱き締めていた腕を少しだけ解放し、顔を覗きこむ。確かに涙は止まっていたけれど、長い睫毛にふちどられた黒い双眸は未だに潤み、羞恥からか顔が赤いの顔。
銀時「っ・・・」
男とはどうしてこうも理性が弱いものなのだろう。少しでもの心を軽くしたくて抱き締めていたつもりなのに、彼女の潤む瞳に赤い顔を見た途端そんな意識は吹っ飛んでしまった。少し解放していた腕を再び華奢な体に回し抱き締めていた。
「ぎ、銀さん・・・?もう、もう大丈夫ですから・・・」
銀時「やだ」
「っ!?」
銀時「・・・、お前ェさ、俺の事どう思ってんの?」
「えっ・・・?」
突然の銀時の抱擁と言葉に驚く。沈黙が2人の間を流れる。
銀時「俺の事、嫌い?好き?」
「っ・・・。嫌いな訳、嫌いな訳ないじゃないですか・・・」
銀時「だったら好き?」
「っ・・・」
銀時はなぜこんな事を自分に聞くのだろうか・・・?抱き締められているせいで彼の表情が分からない。
銀時「・・・」
銀時が自分の名前を呼んだかと思えば、僅かに離される体。背中に回された腕はそのままだけれど近い距離でお互いの顔が見詰め合う形になる。さっきから鳴りっぱなしの私の心臓は壊れそうなほど鼓動を速めている。熱の篭る紅い瞳に、何か言わないとと思いが過ぎるけれど金縛りにあった体は言葉を紡いではくれない。
「好き」とたった2文字を言えたらどんなに幸せだろう。だけど残りの少ない時間を思うとは言葉を紡げなくなる。それに伝えたところで自分が望む返事が来るとは限らないのだから・・・。だったら銀時に言わずに最後の時まで傍に居たいと思う・・・。【今の】幸せな日々のままに・・・。
銀時「、俺ァお前ェが----」
銀時が言葉を紡ごうとしたその時、目の前にあった銀時の顔がすごい速さで畳みに沈む。突然の出来事に声が出ない。
神楽「銀ちゃん、を襲おうとするなんて私が許さないアル」
銀時が言葉を紡ぐ瞬間、何時までも帰ってこない銀時の様子を見て来てと新八に頼まれての部屋に来た神楽は、を抱き締め(詰め寄っている?)る銀時が見え、銀時の頭に制裁と言う名の【踵落とし】を加えた。案の定、に気を取られていた銀時が避けきれる筈も無く畳みに崩れ落ち、強烈な一撃に意識を飛ばしていた。
「か、神楽ちゃん・・・」
自分を助けようとしてやってくれたと思うと、怒るに怒れないだった・・・。
意識を無くし崩れ落ちている銀時をそのままにする訳にもいかず、そのまま自分の布団に寝かせる事にした。神楽に一応お礼?を言うと先に食べていてと居間に行かせた。部屋には眠る銀時との2人きり。顔にかかる銀髪を避けようとおでこ付近の髪に手で触れてみれば、先程神楽に沈められた時に出来たであろう、おでこの掠り傷。畳みにぶつけた時に出来たのだろう。
「銀さん、これくらい許して下さいますよね?」
眠る銀時を抱き締める。淡い光が銀時を包むとおでこに出来た擦り傷は後も無く消えていった。万事屋の依頼から戻ってくる銀時達は時には怪我をして帰ってくる。慌ててが力で治そうとするけれど、コレくらい平気だと普通の手当てしかさせて貰えなかった。いつ何時、この力を使った反動がどの様にに返るか分からない。それを思うと銀時は気軽に力を使って欲しくなかった。その銀時の気持ちを分かるだけにも気軽に使うことはしなかった。けれど----
「銀さん・・・、私のこの力、何の為に使えるのか未だに分かりません。けれど私は貴方の為にこの力を使いたい・・・。傷つく貴方はもう見たくないんです・・・」
鬼灯との戦いで傷つき倒れた銀時。あの倒れた銀時を見た時本当に心臓が止まるかと思った。自分が病室で【死ぬ】と分かった時、思っていたほど恐怖は無かった。きっと小さいながら病室を抜けられないと分かった子供の自分は、何時かこんな日が来ると分かっていたから。だけど銀時を失うと思った時、今まで味わった事の無い【恐怖】で心が一杯になった。自分の死より彼を失う怖さのほうが何倍も怖いのだ。あの時、力を使う事によって自分が銀時の変わりに死んでも構わないとさえ思えるから----
何処からとも無く、愛しい彼女の香りが自分を包んでる気がした。気だるい瞼を開くと見慣れた自分の部屋だった。
銀時「っ・・・」
突然体を襲う快感。起き上がろうとしても体が金縛りにかかったように動けない。目線だけを快感の元である半身に移すと目を疑う光景が銀時を襲った----
銀時「うっ・・・、・・・?」
自分の体を襲う快楽の原因は、自分の下半身でうずくまる様にしている。何時の間にか脱がされたのか、甚平の下ばきは脱がされ下着の隙間から飛び出る己の肉棒をが必死に奉仕をしていた。
「ふふふっ、銀さん気持ち良いですか・・・?」
そう言って一瞬だけ銀時の肉棒から口を離し聞いてくる。そんな彼女の行為に驚く銀時だが再びが舌で舐め上げると快感が襲い返事など出来なかった。
銀時「っぁ・・・、うぅ・・・」
銀時の肉棒は天に反り返る様に立ち上がり、が舌を這わせる度にびくん、びくんと反応を示す。なぜ、がこんな行為を行っているのか?あの恥ずかしがり屋のがこんな大胆な行為をしていること自体信じられなかった。しかし肉棒から感じる快楽はを思って一人で自慰行為をするより遥かに気持ちが良かった。
「んむっ・・・、んっんっ」
銀時「うぁ・・・、くっ・・・」
肉棒の先を丹念に舐めていたが突如その口で咥え始めた。小さな紅い唇が、自分のものを咥える光景は何とも淫らで濡れた感触が肉棒を包む感触に堪らなく声が出る。
銀時の肉棒はの小さな口にはとても入りきらず、先の部分を口に含み含みきれなかった竿の部分は手で扱いていく。部屋には銀時の声とが肉棒を舐め上げ吸い上げる水音がする。
何時の間にか金縛りで動かなかった銀時の体は動く様になり、たまらず自分の下半身に蹲っているの手を引き自分が眠っていた布団に押し倒す。理性など既に銀時には無く只、快楽に身を任せたいと言う欲だけが頭を渦巻いていた。
銀時「、随分好き勝手してくれたじゃねェか・・・。責任とれよ?」
「っ!?」
そう言うと銀時はの上に馬乗りになり再びの小さな口に猛る肉棒を突き入れる。
「んんん!?」
銀時「はぁはぁ・・・、良いぜ・・・」
只、欲望のままにの口内に己の肉棒を突き入れ激しく動き出す銀時。喉の奥まで届く肉棒が苦しくて涙を零す。しかし快楽に呑まれた銀時にはそんなに気づく事無く只管腰を振るう。
銀時「、イクぞ・・・、うっ・・・。全部飲めよ・・・、くっ」
「んっ!?」
銀時「っ!!」
「はい、銀さん?」
銀時「えっ?」
「ふふふっ、朝とは逆ですね」
目を覚ますとそこは見慣れた自分の部屋では無くの部屋だった。
「銀さん、頭を強く打ってた見たいですけど大丈夫ですか?そろそろ昼時だから起こしに来たんですけど・・・」
あぁそうか、に告白しようとしている時に突然自分の頭を襲った何かに気を失ってしまったのか・・・。
銀時「あぁ〜・・・、大丈夫、大丈夫。銀さん頭固いから」
「そうですか・・・?気分悪かったりしたら言って下さいね?食事どうしますか?お粥作りましょうか?」
銀時「普通ので良い。ちゃん悪いんだけど先に行っててくれる?銀さんすぐ向かうから」
「はい、分かりました銀さん。お布団そのままで良いですからね。私が後で片付けますから」
そう言って自分の部屋から出て行く。夢の追求をしてこないに安心する銀時。
銀時「まいったなァおい・・・」
かかったままの布団を退けるとそこには夢の名残だろうか天に反り返る己の下半身。救いなのはイク寸前で目が覚めた事だろうか・・・。悲惨な目には合わずに済んだ。夢とは言え、あんな淫らなの夢を見てしかも半ば無理やり襲うような真似をしてしまった・・・。彼女の残り香がするこの部屋のせいもあるかもしれない・・・。
銀時「俺ァ欲求不満なのか・・・?それに、どうすっかなコレ・・・」
落ち込む気持ちとは逆に、立ち上がってしまった己の分身に問いかける銀時であった・・・。
何時になったら君に伝わるこの気持ち