傍に居られるだけで・・・   第二訓  小さな希望   



例え限られた時間だとしても、貴方の傍に居たい----



???「その望み叶えよう。しかし条件がある----」


眩しさに少しずつ目を開けると、頬に感じたのは草の感触。穏やかなせせらぎが聞こえる。


「んっ・・・ココは河原?」


一番最初に目に飛び込んできたのは、雲一つ感じない青空。その青空に浮かぶ宇宙船らしき船達。
子供の声が聞こえてそちらに目を向けると、網とバケツを持ってどうやら川魚でも採っているらしい。周りをもっと見渡せば、時代劇に出てくるかのような家屋にそれらに似使わないコンクリートの建物。遠くにはこの時代の象徴とも言えるターミナルが見える。


「夢じゃなかった・・・本当に、本当に銀魂の世界に来れたんだ----」


あんな非現実的な出来事があったせいで、は夢を見ているのではないかと思っていた。目が覚めたらいつものビニールに区切られたベットの上で、やはり夢だったのかと落胆し泣いていたのだろう。
大好きなあの人が居る世界。嬉しさより、胸に色々な思い・・・期待、不安、喜び。沢山がの心の中で渦巻いていた。


「いけない!?こんな所で干渉に浸ってる時間は無かったんだ!」


そう、この世界に来てにはどうしてもやらなければいけない事があった。
それは夢の中の不思議な声の人に、どうしても願わなければいけない事。あの時の夢の事を思い描いた。


「私は・・・大好きな人の傍に居たい。でも今の私では駄目なんです!言い訳になるかもしれませんが、私は女の子らしい事がません。料理や洗濯は勿論掃除だって・・・だから少しの間女の子としての自分を磨きたいんです。」
     

???「良いだろう。」


「あ、有難うございます!」


それは一つの決意。
あの人に逢うことはそんなに難しくはないだろう。
でも、傍に居るだけではいけないのだ。少しでも役に立ちたい、少しでも喜んで欲しい。家事をする事はもちろん、万事屋と言う所はそれなりの危険がつきものだ。血を流すことも有るだろう。そんな時に少しでも役に立てられるように医術の知識が必要だった。自分の身を守る術も必要だ。
は銀時に逢うまでは、自分を磨くため仕事先には薬屋を。身を守る術を得る為に恒道館の門下生になる事を決め、歩き出した。


???「その願い叶えよう、しかし条件がある。お前があの世界に居られるのは1年と3ヶ月。それを決して忘れるな。」


あの時夢で不思議な声の持ち主が言った言葉----
私には、残された時間が無い・・・。それはの心に言い知れぬ不安を残していった----







決意共に心を掠める不安それでも今は前に進む